多重人格者haruさんが「1番だけが知っている」(TBS系)に出演され、デートに密着、デート中に別人格(交代人格)が出てきたり、haruさんが「はじめまして」と言ってお相手がびっくりされる様子が予告で流れていました。
過去にも「恋人がいたことはあった」けど「別れたのは別人格の様子から知った」こともあったというharuさん。
多重人格者になったのはいつからなんだろう?なぜなんだろう?といろいろ気になったので、調べました。
haruが多重人格者になったのはいつから?高専の頃に診断?
「日常が途切れる世界」 pic.twitter.com/Tqlih5t563
— haru@メンタルなんにんもいる人 (@hr_3200) November 17, 2018
3歳頃から、頭の中で声が聞こえるという経験をしてきたharuさん。
haruさんがいたずらをしようとした時に「そんな事しちゃだめだよ」と頭の中で声がした、ということです。他にも「手遊びはやめる時間だよ」とか、「先生の話を聞く時間だよ」と大人にとって聞き分けのいい子になるように手取り足取り教えてくれてたその声は、20代ぐらいの男性の声だったそう。
その声の主は、別人格の一人、23歳の洋祐だったようです。洋祐や他の10人の人格の年齢・性別や性格などについては、こちらの記事にまとめています。
その後中学に入ってから、haruさんの中にいる「誰か」がひんぱんに姿を現し始めたそうです。
起立性調節障害を患い、小学校まではトップだった成績が、中学に入ってすぐに下がりはじめました。性別違和の悩みのほか、学校生活になじめなかったことも影響してか、不登校にもなり、中2の頃にはうつ病と診断。
ところが、受験を控えた中3の頃から成績が上がり始めたそうです。返却された答案に覚えのない答えが書いてあり、テストを受けた記憶もないのは、別の人格がテストを受けていたからでした。
スカートを履きたくなくて、(女子でも)ズボンも履ける学校を探して見つけた高専の受験には数学などが必須でしたが、不登校で十分な勉強ができていないharuさんの代わりに「誰か」が理系科目の成績を上げてくれたおかげで、高専への進学もできたようです。
高専へ進んだ後も、授業の時間なのに学校ではなく別の場所にいる、午後に学校を抜け出す、などの行動や成績のことなどから、担任の先生もharuさんの中に「誰か」がいることに気づいていた担任の先生に診断を受けることを勧められ、解離性同一性障害(いわゆる多重人格)であるとの診断結果を告げられたそうです。
この担任の先生、haruさんのことを異常者扱いしないで診断を受けるように勧めてくれたのは、なかなかできないことではないでしょうか?
haruが多重人格者になったのはなぜ、原因は生い立ち?
赤いランドセルが嫌で腹を切ろうとした6歳の春、自殺未遂で入院した14歳の夏、性被害を受けて電車に飛び込もうとした19歳の秋、社会に不安を抱えて首を括ろうとした22歳の冬。人格を作ることが、僕の生きる術だったのだろう。障害と戦う。障害と生きる。それでも、僕らは生きていく。生きていくんだ。
— haru@メンタルなんにんもいる人 (@hr_3200) February 3, 2020
- 0歳(1996年)エンジニアの両親のもとに女性として生まれる
- 小2両親離婚、祖父母とともに母の実家で暮らすようになる
- 小6父親が他界、その頃赤いランドセルが嫌で腹を切ろうとした
- 中2うつ病と診断される
- 中3交代人格が顕著に現れはじめる。返却されたテストの答案に覚えのない答えが書いてある。テストを受けている時の記憶もない。などが頻繁に起こる
- 中学卒業高専に入学。
- 高専3年親の転勤で東京の高専に転校。このころから学業や学校行事が猛烈に忙しくなると同時に、再び日常の記憶が曖昧になることが増え、「僕」以外の人格でいる時間のほうが長くなる
- 2018年上半期に保育士の資格を取得、大学に編入、10-20代向けスマホアプリ「cotonoha」 (悩みや愚痴を吐き出す場所を提供するアプリ)をリリースなど「衝動」の1年
- 2019年4月就職、正社員となる。
その間、14歳の夏には自殺未遂で入院、19歳の秋に性被害を受けて電車に飛び込もうとし、22歳の冬も社会に不安を抱えて首を括ろうとした、など、haruさんのここまでの人生は相当な生きづらさを感じてのものだったのだろうと思われます。
意識、記憶、同一性、情動、知覚、身体表象、運動制御、行動の正常な統合における破綻およびまたは不連続である
米国精神医学会が発行する精神疾患の診断マニュアル「DSM-5」には、解離性同一性障害は上記のように記載されており、発症には心的外傷(トラウマ)も深く関わっているとされるそうです。
haruさんの生い立ちを知ると、まさにさまざまなトラウマとなりうることが起こっているので、そのような経験がいくつも重なって引き金の一つになったのかな、とも思えますね。
主治医の先生がharuさんに伝えた言葉の中には
交代人格は主人格を守るためにいるんだよ
という一言があったそうですが、大人を困らせない振る舞いをするように助言をしてくれたり、別人格がテストで良い点を取って高校進学に必要な成績をクリアしてくれたり、と「助けて」くれていることにはうなずける部分がありますね。
交代人格同士がもめることもあるそうですが、今の時点ではharuさんとしては無理に人格統合をしようとは考えていないそうです。
ツイッターも複数人格がそれぞれ投稿していたり、どの人格とも共存して「チームharu」として、細切れのシフト制で一人の人生を担当しているという意識なんだそう。
多重人格者が殺人鬼として描かれた映画やドラマなどの影響で、偏見を持っていた部分が正直ありましたが、haruさんのことを知って、多重人格というのは人の心を守るための一つの仕組みのように思えるようになってきました。
haruさんをきっかけに、偏見から中立な見方に変われたのは良かったなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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